Interior Note[フランス発]お部屋づくりに役立つ記事

フランスのお宅訪問
2016.03.11

家の良さを活かしつつ 暮らしやすい空間づくりを実現するリノベーション上級者の家

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    【プロフィール 】

    パリからTGVで2時間ちょっとのところにあるフランス西部の街、ナント。そこで100年にわたり伝統的なブラシを作り続けるジュリオ一家は、3代目となるジャン=バティストが兄弟と共に昔ながらの機械と技術を受け継ぎ、今も丁寧にブラシやほうきを手作りしています。奥さまのセシルは自然をこよなく愛するガーデンデザイナー。 11歳になる長女イネス、9歳の長男コーム、そして7歳の末っ子エロワの3人の子供たちの世話をしながら、仕事をしています。 クリエイターとコラボして、モダンに生まれ変わったブラシのシリーズ「Andrée Jardin」は質と使い勝手の良さが魅力です。 http://www.andreejardin.fr http://cecilejulio.com

    【間取り】5LDK(140㎡、一軒家)

    自宅のリノベーションするのがここで 3軒目というジャン=バティストとセシル。古い家を買い、ほぼすべてを自らリフォームするのが楽しみだというほど、住まいへのこだわりが強く、高い知識を持つふたり。それぞれの家の魅力を十分に理解した上で手を加えていくスタイルで、1900年に建てられたこの一軒家は、「庭とつながりを持たせた光あふれる生活空間」というコンセプトのもと、リフォームをスタートしました。

    一番大掛かりだった工事は、200㎡の庭の一部に増築した30㎡のリビング兼ダイニング。家族みんなが1日のほとんどの時間を過ごすという空間は、とにかく庭の美しさを活かせるよう、内装やインテリアはシンプルで控えめな色味に抑えました。母屋の屋根との兼ね合いで、高くせざるをえなかった天井は3,8メートルもの高さがありますが、オープンな雰囲気が庭と相まって、とても気に入っているポイントでもあります。

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    リビングで一番こだわったのは暖炉を中心とした空間作り。白とグレーでまとめたインテリアは、ともすると寒々しい印象になることもあるので、ぬくもりを与えてくれる暖炉はとても大切な要素でした。庭からの光をたっぷりと取り入れるテラス窓は特注。床は暖かみのあるフローリングをメインに、庭への出入り口と暖炉の前には、19世紀半ばにフランスで生まれた「Carreaux de ciment(キャロ・ドゥ・シモン)」と呼ばれる絵柄の美しいセメントタイルをはめ込み、掃除しやすい工夫をしています。

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    子供部屋は一人にひとつずつ。写真は長男のお部屋です。閉校した学校から譲り受けた勉強机と椅子の脚はグレーにペイントしてちょっとモダンにカスタマイズ。今のところ、子供部屋にはあえて収納棚は作らず、子供たちの衣類はすべて親の寝室の壁、横幅6メートルにもわたるワードローブにすべて仕舞っています。一人で身支度する長女の部屋には必要な服だけ入れられる家具を置き、男の子二人はお母さんが着替えを準備するので、一つの場所にまとめて収納している方が便利だそう。

    もちろん、アイロンがけの後に畳んだ洋服を各部屋に持っていく手間も省けるので、今のうちはこのスタイルを続けています。「男の子がもう少し大きくなったら、また新たな家に引っ越して、リフォームするときには子供部屋に収納棚を付けるわ」というセシル。永住にこだわらず、ライフスタイルに合わせて家を変えていくフランス的な考え方と言えるでしょう。

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    増築したリビングの隣にあるキッチンスペースも、すべて自分たちでリフォームを手がけました。インテリアのイメージは「北欧+日本」。ミニマルなスタイルをベースに、ふたりの趣味でもある骨董探しで見つけたランプや棚など、古いオブジェをプラスして、ぬくもりを演出しています。お皿やカップなど、毎日使う食器や家電は使いやすさを重視して、見せる収納にしているそう。美しいものが好きなので、普段使う道具は目に留まる場所に置いておきたくなるようなアイテムを吟味しています。

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    家族以上に素敵な庭のあるこの家が好きかもしれない、愛猫のマルセル。玄関にかけた素敵な絵柄のショッピングバッグは、殺風景な壁を飾るちょっとしたインテリアにもなっています。1階は各室に扉や仕切りをあえて作らず、玄関からキッチンへ、そしてダイニング、リビングを通って庭へと続く自然な動線を実現しています。「改善したい点は?」との質問に、「自分たちの暮らしに合ったこの家は、すべて気に入っている」と答えるセシルは、まさにリノベーション上級者です。

著者プロフィール:Tricolor Parishttp://tricolorparis.com

トリコロル・パリはフランスに暮らす荻野雅代と桜井道子、ふたりの日本人からなるユニット。パリ関連のガイドブックを執筆・撮影するかたわら、2010年にスタートしたサイトにて、パリのおすすめショップやレストラン、イベント・観光情報はもちろん、フランスのニュースやパリの天気を服装で綴る「お天気カレンダー」など、独自の目線で「フランスの旬」を日々発信している。